このドキュメンテーションは、MicroPython の最新開発ブランチのためのものです。 リリースバージョンでは利用できない機能に言及することがあります。

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コア言語

Generated Fri 05 Jul 2024 06:33:57 UTC

f-string は、隣接するリテラルが中括弧を含んでいる場合、隣接するリテラルとの連結をサポートしない。

原因: MicroPython はコードスペースに最適化されています。

回避策: 両方が f-string でない場合、リテラル文字列の間に + 演算子を使う。

サンプルコード:

x, y = 1, 2
print("aa" f"{x}")  # works
print(f"{x}" "ab")  # works
print("a{}a" f"{x}")  # fails
print(f"{x}" "a{}b")  # fails

CPy 出力:

uPy 出力:

aa1
1ab
a{}a1
1a{}b
aa1
1ab
Traceback (most recent call last):
  File "<stdin>", line 11, in <module>
IndexError: tuple index out of range

f-stringsは、バランスの悪い入れ子の中括弧や大括弧を解決するのに解析を必要とする式をサポートできない。

原因: MicroPython はコードスペースに最適化されています。

回避策: f-string の中の式では常にバランスのとれた中括弧と大括弧を使う。

サンプルコード:

print(f'{"hello { world"}')
print(f'{"hello ] world"}')

CPy 出力:

uPy 出力:

hello { world
hello ] world
Traceback (most recent call last):
  File "<stdin>", line 9
SyntaxError: invalid syntax

f-string は !a 変換をサポートしない

原因: MicroPython は ascii() を実装していません。

回避策: なし

サンプルコード:

f"{'unicode text'!a}"

CPy 出力:

uPy 出力:

Traceback (most recent call last):
  File "<stdin>", line 8
SyntaxError: invalid syntax

クラス

特殊メソッド __del__ はユーザ定義クラス用には未実装

サンプルコード:

import gc


class Foo:
    def __del__(self):
        print("__del__")


f = Foo()
del f

gc.collect()

CPy 出力:

uPy 出力:

__del__

メソッド解決順序(MRO: Method Resolution Order)は Cpython に未準拠

原因: 深さ優先の非網羅的なメソッド解決順序

回避策: 多重継承と複雑なメソッドのオーバーライドがある複雑なクラス階層を避ける。多くの言語が多重継承をまったくサポートしていないことに留意。

サンプルコード:

class Foo:
    def __str__(self):
        return "Foo"


class C(tuple, Foo):
    pass


t = C((1, 2, 3))
print(t)

CPy 出力:

uPy 出力:

Foo
(1, 2, 3)

プライベートなクラスメンバーの名前のマングリングは未実装

原因: MicroPython コンパイラはプライベートクラスメンバーの名前のマングリングを実装していない。

回避策: グローバル名との衝突を避けるため、手動でプライベートクラスメンバー名に一意のプレフィックスを追加してください。

サンプルコード:

def __print_string(string):
    print(string)


class Foo:
    def __init__(self, string):
        self.string = string

    def do_print(self):
        __print_string(self.string)


example_string = "Example String to print."

class_item = Foo(example_string)
print(class_item.string)

class_item.do_print()

CPy 出力:

uPy 出力:

Example String to print.
Traceback (most recent call last):
  File "<stdin>", line 26, in <module>
  File "<stdin>", line 18, in do_print
NameError: name '_Foo__print_string' is not defined. Did you mean: '__print_string'?
Example String to print.
Example String to print.

多重継承では super() は1つのクラスを呼び出すだけ

原因: メソッド解決順序(MRO: Method Resolution Order)は Cpython に未準拠 を参照

回避策: メソッド解決順序(MRO: Method Resolution Order)は Cpython に未準拠 を参照

サンプルコード:

class A:
    def __init__(self):
        print("A.__init__")


class B(A):
    def __init__(self):
        print("B.__init__")
        super().__init__()


class C(A):
    def __init__(self):
        print("C.__init__")
        super().__init__()


class D(B, C):
    def __init__(self):
        print("D.__init__")
        super().__init__()


D()

CPy 出力:

uPy 出力:

D.__init__
B.__init__
C.__init__
A.__init__
D.__init__
B.__init__
A.__init__

サブクラスでの super() ゲッター(getter)プロパティ呼出しは、値ではなくプロパティオブジェクトを返す

サンプルコード:

class A:
    @property
    def p(self):
        return {"a": 10}


class AA(A):
    @property
    def p(self):
        return super().p


a = AA()
print(a.p)

CPy 出力:

uPy 出力:

{'a': 10}
<property>

関数

メソッドのエラーメッセージは予期しない引数の数を表示する

原因: MicroPython は引数として "self" をカウントしている。

回避策: 上記の情報を念頭に置いてエラーメッセージを解釈。

サンプルコード:

try:
    [].append()
except Exception as e:
    print(e)

CPy 出力:

uPy 出力:

list.append() takes exactly one argument (0 given)
function takes 2 positional arguments but 1 were given

"関数オブジェクトは __module__ 属性を持たない

原因: MicroPython は RAM 使用量について最適化しています。

回避策: 非組込みモジュールについては sys.modules[function.__globals__['__name__']] を使う。

サンプルコード:

def f():
    pass


print(f.__module__)

CPy 出力:

uPy 出力:

__main__
Traceback (most recent call last):
  File "<stdin>", line 13, in <module>
AttributeError: 'function' object has no attribute '__module__'

関数のユーザ定義属性はサポートしていない

原因: MicroPython はメモリ使用量について高度に最適化しています。

回避策: 外部辞書を使う。たとえば FUNC_X[f] = 0 とするなど。

サンプルコード:

def f():
    pass


f.x = 0
print(f.x)

CPy 出力:

uPy 出力:

0
Traceback (most recent call last):
  File "<stdin>", line 13, in <module>
AttributeError: 'function' object has no attribute 'x'

ジェネレータ

コンテキストマネージャーの __exit__() は完了まで実行されないジェネレータでは呼び出されない

サンプルコード:

class foo(object):
    def __enter__(self):
        print("Enter")

    def __exit__(self, *args):
        print("Exit")


def bar(x):
    with foo():
        while True:
            x += 1
            yield x


def func():
    g = bar(0)
    for _ in range(3):
        print(next(g))


func()

CPy 出力:

uPy 出力:

Enter
1
2
3
Exit
Enter
1
2
3

ランタイム

ローカル変数は locals() の結果に含まれない

原因: MicroPython はシンボリックローカル環境を維持せず、スロットの配列に最適化されています。したがって、ローカル変数には名前でアクセスできません。

サンプルコード:

def test():
    val = 2
    print(locals())


test()

CPy 出力:

uPy 出力:

{'val': 2}
{'test': <function test at 0x13800e260>, '__name__': '__main__', '__file__': '<stdin>'}

eval() 関数で実行されるコードはローカル変数にアクセスできない

原因: MicroPython はシンボリックローカル環境を維持せず、スロットの配列に最適化されています。したがって、ローカル変数には名前でアクセスできません。効果的に、MicroPython の eval(expr)eval(expr, globals(), globals()) と同等です。

サンプルコード:

val = 1


def test():
    val = 2
    print(val)
    eval("print(val)")


test()

CPy 出力:

uPy 出力:

2
2
2
1

import

__all__ は MicroPython の __init__.py では未サポート。

原因: 未実装。

回避策: __init__.py で from . import foo, bar を使って、サブモジュールを直接インポート。

サンプルコード:

from modules3 import *

foo.hello()

CPy 出力:

uPy 出力:

hello
Traceback (most recent call last):
  File "<stdin>", line 9, in <module>
NameError: name 'foo' isn't defined

パッケージの __path__ 属性は、MicroPython では異なるデータ型を持つ(文字列のリストではなく、単一の文字列)

原因: MicroPython はファイルシステム間で分割された名前空間パッケージをサポートしていません。それを踏まえ、MicroPython の import システムは、メモリ使用量を最小限に抑えるために高度に最適化されています。

回避策: import 処理の詳細は、本質的に実装に依存する。ポータブルアプリケーションでこのような詳細に頼らないことようにする。

サンプルコード:

import modules

print(modules.__path__)

CPy 出力:

uPy 出力:

['/Volumes/bufext/work/mpy/cardputer/micropython/tests/cpydiff/modules']
../tests/cpydiff/modules

MicroPythonはファイルシステムをまたぐ名前空間パッケージには対応していない。

原因: MicroPython の import システムは、シンプルさ、最小限のメモリ使用量、最小のファイルシステム検索オーバーヘッドのために高度に最適化されている。

回避策: 同じ名前空間のパッケージに属するモジュールを、異なるディレクトリにインストールしないこと。MicroPythonでは最大で3つのコンポーネントのモジュール検索パスを持つことが推奨されている: 現在のアプリケーション用、ユーザーごと(書き込み可能)、システム全体(書き込み不可)。

サンプルコード:

import sys

sys.path.append(sys.path[1] + "/modules")
sys.path.append(sys.path[1] + "/modules2")

import subpkg.foo
import subpkg.bar

print("Two modules of a split namespace package imported")

CPy 出力:

uPy 出力:

Two modules of a split namespace package imported
Traceback (most recent call last):
  File "<stdin>", line 13, in <module>
ImportError: no module named 'subpkg.bar'